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2016.08.31

サンフレッチェ広島・森保一は可愛い『プロサッカー監督の仕事』

森保一(もりやすはじめ)監督は、可愛い。
Jリーグのプロサッカークラブ・サンフレッチェ広島F.C.の監督だ。森保監督がパパ、佐藤寿人選手と青山敏弘選手がお兄ちゃんで、そこにみんなが集まって来たようなチームに見える。試合は、家族が一丸となって頑張っているドキュメンタリーみたい。毎試合、ちょっと泣ける。

サッカーは、11人しかピッチに立てないスポーツです。だから監督は、試合に出られる選手と、そうでない選手と区切らなければいけません。

外から見ると、明るく温かいサンフレッチェ一家。
しかし、監督の仕事はシビアだ。大切に育てた選手の中から、毎試合たった11人だけを選ぶ。

2016年8月29日放送の『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)でも、森保監督は選手を選ぶ責任について話していた。監督の采配は、チームの勝敗や試合内容だけでなく、選手の人生までも左右する。

2013年に現役引退した中島浩司選手について、森保監督は思い返す。

彼は練習から試合に出てもおかしくないパフォーマンスを見せてくれていましたが、ベンチメンバーには入れていたものの、僕が就任してから、彼をほとんど使ってあげることができていなかったからです。

そして、中島選手にとってのホーム最終戦でも、森保監督は彼を起用することはなかった。

自分もプロ選手としてやってきて、レギュラーだったときのメンタルもわかるし、サブとしてベンチを温める経験もしています。

(現役時代に)勝てなくなっていたラスト5試合で、僕はベンチに入るようになりました。それがどういう意味かというと、選手として計算もできるけれど、チームを盛り上げたり、精神的な支えになったりという部分を期待されていたということです。

過去の自分と同じ役割を、ナカジ(中島選手)ならできる。その役割を任されたナカジの気持ちが、自分ならわかる。采配はシビアでも、森保監督が大切にしたいと考えているのは「選手の心」だった。
選手の心を知るために、先に自分の心をさらけ出すことを嫌がらない。「ごめん」「ありがとう」は、計算せず素直に口に出すのが、森保監督だ。

「広島で育った選手」が他のチームに引き抜かれたり、移籍したりすることについて、森保監督は肯定する。

「広島で育った選手」がいろいろなクラブで活躍するということは、彼らが広島で学んだことが間違いではなかった、広島の育成は質が高いことの証明になります。

過去に引き抜かれた選手の名前を挙げては「仕方がないこと」「間違ったことではありません」と繰り返す。辞めた選手や移籍した選手について話す章は、ちょっと感情的ではないか。
サンフレッチェの寛大で頼れるパパ・森保監督。ちょっと寂しい気持ちも隠さないところが、やっぱり可愛い。


【再放送情報】
2016年9月5日 午後3時10分~
『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)
ぶれない信念が、勝利をつかむ
プロサッカー監督・森保一