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「HUNTER×HUNTER」8巻。マゾヒストの喜んだヴェーゼのSMシーン

冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』が救済してから8週間が経過。今回は単行本8巻を振り返る。

ゴン、キルア、レオリオとは別行動をとるクラピカ。同胞の緋の眼を探すためノストラードファミリーの構成員になろうとする。センリツ、バショウ、ヴェーゼとともに、会場から生きて外に出るという内容の採用試験に臨む。突然の銃撃を4人全員があっさりかわし、館に出るための手がかりをスクワラに尋ねる。しかし、口を割ってくれない。

ほら ほら ほら ほら ほら ほら

ああっあ〜〜 もっとお踏みくださいませ!!

ふふふふふ なんて恥ずかしいカッコかしら!? 撮ってるよ!! ほらほら

ああっ ああっ

さあ「何」に「どんな」念を込めたか言ってごらん!? 言わなきゃ踏むのやめるわよ!!

スクワラに突然の接吻をかましたヴェーゼ。彼女の「180分の恋奴隷(インスタントラヴァ—)」は、接吻した相手を下僕に変える能力。婚約者のいるスクワラをビデオカメラで撮影し、四つん這いにさせて踏みつけていた。普段、冷静沈着なクラピカが冷や汗をかいて険しい表情をするくらいに凶悪な念である。

HUNTER×HUNTERは少年誌に連載されるマンガ。しかし、ヴェーゼとスクワラのやり取りには、SM要素が詰まっている。「こんな世界もきっとどこかにあるんだな…」と期待を抱いてしまう少年もいた。
これ以前にもチラッとSM要素を含む場面がある。単行本5巻のミルキがキルアに拷問をしていたときである。キルアを磔にして、1m超の一本鞭を使い、弟に反省を促す。殺し屋としてのミルキの実力の高さがうかがえるシーンだ。
一本鞭はかなりのテクニックを必要とする武器。先端が複数に分かれている「バラ鞭」とは、かなり使い勝手が違う。バラ鞭はヒットポイントの面積が大きい分、どう振るっても力強い音が出る。しかし、相手に与える威力は小さい。一本鞭の場合、小さな打撃面をピンポイントで当てなければ、いい音は出ないし、威力も半減する。拷問に使うには、パワーとコントロールが求められる。
その昔、『第3回地下クイズ王決定戦』に出ていた日本最高齢の女王・夜羽エマさんが、番組ADに鞭を振るいながら、2つの違いについて話していたことがある。


「(バラ鞭を使って)これは軽いの これじゃあ痛くないの」
「(一本鞭に持ち替えてひっぱたいてから)しびれるでしょ? もう一発いっちゃおうね」

海辺で千本のむち打ち練習を繰り返し、その技術を体得した夜羽さんは、調教人数1000人を超えるそうだ。
調教と拷問は似て非なるもの。しかし、ミルキが殺し屋として、かなりの場数を踏んできたことがよく分かる。
8巻以降も、少年たちには分からないような、どさくさまぎれのエロが随所に登場する。ビゼフの横たわるベッドに大人のオモチャがあったり、レオリオが公衆の面前で「ズリセン」という言葉をマイクで発したり。大人に尋ねてみても、本当の意味は教えてくれないだろう。
でも、ヴェーゼの色気は子どもでも分かる。それだけに、彼女がシズクの掃除機で吸い取られたときの悲しさは、今でも忘れられない…。