施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」がkindle unlimitedに

無人の街。(オンノジ)
ひとりのファミレス。(鬱ごはん)
クラスの読書好きが集まる図書室。(バーナード嬢曰く。)
にぎやかな場所から切り取られた、「離れ」にいる人たち。
彼らを孤独だと決めつけず、施川ユウキは、それぞれ違う切り口でおもしろさを見つけ出す。


『バーナード嬢曰く。』がkindle unlimited対象。10月にはアニメも放映開始だ。

難しい本は苦手だけど読書家に憧れる「バーナード嬢」と、その友達が図書館で読書トークをする「読書あるある」漫画。

バーナード嬢は読書家になりたい。
そのためには、ドストエフスキーとか村上春樹とか、「読んでて当たり前」のハードルを越えてからでないといけない。
そのために、序章でギブアップしようとも、文豪と呼ばれる人の著書に挑む。

その中で、本好きなら思い当たることにたくさん遭遇する。
太宰治を読むとき、周囲の反応を気にしてしまう。
ゴミ捨て場に束ねている本が気になる。
竹久夢二と夢野久作、間違えがち。

周囲のお友達は、SF好きとホームズ好き。得意ジャンルになると急に喋り出す。
「一冊お薦め教えて」
と言おうものなら、
「初心者向けならこれだけど、これには問題があって、この翻訳は…」と、
シンプルな質問にシンプルな答えが帰ってこない。
バーナード嬢にツッコミを入れる常識人ポジションの生徒も、クラス全体から見ればきっと「変わった子」。

クラスの少数派たちが集まって、趣味を話し合ったり、照れながらお勧め本を紹介し合える。
図書室は学校の中でも特別な空間だ。