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クズ人間は虫に改造することになりました 手塚治虫傑作短篇集『メタモルフォーゼ』Kindle月間セール99円

手塚治虫傑作短篇集『メタモルフォーゼ』が2016年8月Kindle月間セールで激安99円。
「変身=メタモルフォーゼ」をテーマにした短編7編を収録。

「ザムザ復活」の舞台は、野生動物が減り、人間が増えすぎた未来。
犯罪者をケダモノに改造し、“役にたたないクズ人間”は虫に改造されることになった。
改造されたケダモノたちの監視をしている青年ザムザと、
人間らしさを取り戻していく雌ライオンのエレーナの恋愛を発端に起こるストーリー。
もちろん「ザムザ」は、フランツ・カフカ「変身」の主人公の名前。
人間のように二足歩行するライオン・エレーナや、
悲劇的な状況下で人間らしく生きようともがく青年、
ラストシーンの冴え、
手塚治虫らしさ炸裂の大傑作短編だ。

もうひとつ問題作が収録されている。
「すべていつわりの家」だ。
こどものころに読んでトラウマになった人も多い歪んだ恐怖漫画。

世界がどろどろに溶けてしまう夢を見る少年が主人公。
恐ろしくなって母の布団にもぐりこむと、母の体は氷みたいに冷たい。
伝染病が流行っているので町には言ってはいけないと厳しく言われる。
読む本は、真っ白になっている。
町には、ヤギの角を持つ人間がいる。
親戚の女の子は、首に噛みつこうとする。
父親は、その女の子を恐ろしい勢いで殴り倒す。
世界のすべてがゆっくりと狂っていくのだ。
全編、悪夢のような展開の果てに訪れる壮大なエンディング。
異様な気持ちにさせられる短編だ。

気は優しいのに大柄でごついので不良だと思われる学生を描く「べんけいと牛若」。
太平洋戦争末期、一命を取り留めた雨月大将と現地民カップルとの交流を描く「大将軍森へ行く」。
狼男との壮絶な戦いを描いた「ウォビット」。
小鳥を守る巨大な鳥の変身譚「聖なる広場の物語」。
殿様を風刺する踊りを踊るひょう六が、殿様に目を潰され踊りを禁じられるが、それでも踊り続け……「おけさのひょう六」。

全7編。オススメです。