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ゲイ差別から目を背けるな。差別してしまう自分と戦え『弟の夫』1巻が100円

「てめ…このやろ…何だ! 放せ ホモ!」

「男同士で結婚できるなんてのが変なんだよ!」

「迷惑だよ!」

双子の弟を亡くした兄・弥一の頭によぎる罵倒の言葉。
大人として、罵声を口に出すことはない。けれど相手が「弟の妻」だったなら、そもそもこんな言葉が浮かぶことすらないはずだ。
弥一の目の前にいるのは、大きな体のカナダ人・マイク。亡くなった弟の「夫」なのだという。

ゲイカルチャーを世界中に発信している漫画家・小説家の田亀源五郎が描く『弟の夫』。
今ならAmazon kindleで、第1巻が100円(85%OFF)で購入できる(2016年7月29日現在)。

「兄貴 俺さ ゲイだから」

高校生だった弥一が聞いた、弟のカミングアウト。
弥一は「ヘエ そうなんだ」と流してしまう。平静を装ったのは、自分を「差別をする人間」だと思いたくなかったからかもしれない。

差別は悪いこと。してはいけません。
禁止事項だけを教育されると「自分も差別をする可能性がある」と想像することを避ける。だって、自分を悪い人間だと思いたくないもん。
しかし、マイクへの罵声を踏みとどまるたび、弥一は自分の持つ差別心の1つ1つに気付いていくのだ。

「誰だって辛いよな 好きな人を亡くすのは…」

酒に酔い、夫を亡くした悲しみの涙を流すマイク。
大男が泣く姿を見て、弥一に共感の思いが芽生える。弟の死を悲しめなかった弥一も、その時初めて泣くことができた。
差別の気持ちは、未知の相手への恐怖心でもある。考えを共有することだけでは、差別はなくならない。だけど、恐怖心は溶けて消える。

レズビアンカップルを小池みきが描いたノンフィクション漫画『同居人の美少女がレズビアンだった件。』に、こんなセリフがある。

「『レズビアン』っていう生き物がいるわけじゃないのよ
 私の気持ちを少しは考えて…」


「ゲイ」「レスビアン」についてはよく知らない。
もしそうだとしても、目の前の人間については知ることができるはず。
相手を知って恐怖心がなくなれば、差別をする必要すらなくなる。
もし、どうしても拭えない自分の差別心に気付いたら。その時は、その心との戦い方を、弥一と学んでいける。