手塚治虫の狂いまくった倫理観。父殺し、近親相姦…怪作『ガラスの城の記録』セール中
手塚作品の中で、倫理観が狂いまくってる作品ナンバー1『ガラスの城の記録』が2016年7月Kindle月間セールで激安99円。
まず父親の倫理観が狂っている。
一族を巻き込み、みんなを強制的に冷凍睡眠で眠らせるのだ。
理由が、「眠ってるあいだの金利で儲かるぞ」だ。
そして、冷凍睡眠で脳の一部が破壊されて、人格的におかしくなった一郎が主人公だ。
一郎は姪の真理とベッドイン。さらに父親を殺す。
倫理的にアウトなことをやりまくる男で、これほど感情移入できない主人公も珍しい。
手塚治虫は、セックスと殺戮に関するアイデアを次々と投入する。
2000年の眠りから目覚めた謎の娼婦。
人間の殺戮本能を解消するために死刑囚を狩り殺してもいいという「殺人法」。
死刑囚がどこにいるのか人々に知らせるために10年間匂いの抜けない香料。
豚と同居している女性が苦手な刑事(本日休業という変な名前)。
新しいアイデア、新しいキャラ、新しい設定が、次々とぶちこまれ、猛スピードの展開で読者をふりまわす。
主人公が容赦なく人を殺しまくるので、その殺しの腕を買われてミッションを言い渡される。
「ガラスの城」の住人(総理二人と閣僚三十七人と党役員が十四人、財界の立役者、外交会の黒幕しめて百人!)を一人残らず始末せよ、と。
おいおい、残りページ少ないのに大きくでたな、手塚先生!
と思ったら、なんと未完。
いたずら手塚先生やりたい放題、倫理観マイナス100点の珍妙な怪作だ。
手塚治虫の感動作を読みたい人にはオススメしません!