猫の考えは人間には全くわからない『同居人はひざ、時々、頭の上
「僕は今 猫に命を狙われている」
『同居人はひざ、時々、頭の上』は、偏屈で人嫌いのミステリー作家、朏素晴(みかづきすばる)と拾ってきた猫との同居ストーリー。
原作はみなつき、作画は二ツ家あす。Webコミック「COMICポラリス」で連載中。コミックス2巻が6月15日に発売された。
あげたエサを自分のところに返してくる猫。
「お前はなにがしたいんだ?」
エサで足を滑らせて転けさせようとしてるのか。
本を読むと「ボスへの貢物」と書いてある。
ううーむ、俺がボスなのか? 何を期待されているんだ。戸惑う素晴。
と、これが第1話。
第2話は拾われた猫が語り手になる。
ああ、猫サイドは、そんな思いで動いていたのか。謎が氷解する。
奇数話は人間の素晴側から、偶数話は猫のハル側から、交互に展開する。
自分の名「みかづき」と対になる「陽(はる)」という名で読んだとき、猫が「にゃー」と反応する。人間は、思いが通じたと考えたくなる。
が、ハル編を読むと、たまたま、ごはんをもらっていた家の娘の名前がハルで、一緒に呼ばれていたため、「はる」はごはんの合図でしかない。
日々の暮らしのなかでの猫と人間のすれ違いが描かれる。
お互いの思惑は全くかみあっていない。
でも、ずれているなりに重なる。
相手を理解しようとする力は、人を変えていく。
心温まる猫と人間の物語。オススメです。