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家入一真の妻の地獄。夫は都知事選出馬を決め、妻は離婚を決めた

”翌日、家を出た夫はその足で会場に赴き、都知事選出馬の記者会見に臨んだ。同日、私は区役所に離婚届を取りに行き、その翌々日に、私たちは晴れて離婚した。”

ノンフィクションである。
2014年の東京都知事選に立候補した、起業家・家入一真が「夫」にあたる。
「私」は、本作『家族無計画』(朝日出版社)の著者・紫原明子。旧姓は家入。
離婚に至るまでの元夫との出来事は、小説みたいなネタだらけだ。

性問題を問いつめられても、平然とした顔。
「家族も、そして女の子も、みんなで仲良く暮らしたいんだ」

と行方をくらます夫。
明子さんは居場所をSNSで追いかける。(有名人ゆえ、目撃情報がネット上に残されている)
当たりをつけて、現場で取り押さえるのが最終手段。
別れた今でも、仕事関係の相手から相談されるそうだ。家入一真のつかまえ方を。

明子さんがキャバクラ潜入取材に行ったときのこと。

「高っ!」
お酒の高さに驚いていると、同伴していた友人に突っ込まれる。
「あきこちゃんの旦那さんは一晩で2000万円使うって噂で聞いたけど」
「なんで愛想尽かさないんですか!?」
キャバ嬢も心配する

「いやいや、ひと月でですよ」

辛うじて訂正して返す。元夫の豪遊ぶり、明子さんの複雑な思いが伝わってくる。

前回の都知事選があった年、結婚生活は13年目を迎えていた。
恨み辛みはあるだろうに、明子さんは責めることをしない。もちろん、結婚生活を振り返ることは骨が折れる作業だったと、おわりに語っている。
”物語のある人間は、強いぞ。”
2人の子供たちへのメッセージだが、明子家の家訓にも思えてくる。