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ヤバすぎる手塚治虫『日本発狂』UFO、難民問題、オカルト怒涛のKindle月間セール99円

手塚治虫の『奇子』『紙の砦』『日本発狂』がKindle月間セールで99円、激安。

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『日本発狂』は明るい未来の白手塚と、歪んでダークな黒手塚にわけるなら、これはもちろん黒手塚。
なにしろタイトルが「日本発狂」。
というか、おそらく、つのだじろうが巻き起こした恐怖マンガブームの影響を受けている。
つのだじろうの「うしろの百太郎」「恐怖新聞」がスタートしたのが1973年。
『日本発狂』は、その翌年の1974年からの連載だ。

夜、半透明の大勢の人型が列を作って行進するのに出くわすところからはじまる。
のだが、その後、いきなり美女が部屋にころがりこんでくる男子願望充足漫画展開に。
と思いきや、週刊誌記者の突然の死、ノートのシミと謎のメッセージ、施設の黒服男、自動筆記、UFO、降霊現象。
と、怒涛のオカルト展開が繰り広げられる。

だが、なんというか恐怖怪奇マンガのような黒い恐ろしさはない。
生と死、肉体と魂、この世界と死後の世界、平和と戦争。
世界観の理屈が構築されているからだ。

特に中盤、死後の世界に訪れてからは、ダークファンタジーなノリで大冒険が繰り広げられる。
とんでもない展開で、どこに連れて行かれるのか目眩する展開に呑みまれていくと、切ないラブストーリーになり、「日本発狂」なエンディングへ。
手塚作品の中でも屈指の壮大なビジョンを見せてくれる。
『火の鳥』クラスの壮大さであり、こちらのほうが身近な学生が主人公で始まってるぶんショックは大きい。
しかも、いま日本が抱えている「移民受け入れ」問題と直結していくのだ。

1巻で完結していてイッキ読みに最適。
あと、ラブストーリー部分を軸にして、実写映画化するとヒットしそうな内容でもある。

オススメ。