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三島由紀夫も愛した怪異な物語『眠れないほど面白い「雨月物語」妖美怪奇な9つの話』

こんにちは!risapperです。
いよいよ梅雨入りの季節ですね!

今回はこの時期にちなんだ作品『眠れないほど面白い「雨月物語」妖美怪奇な9つの話』をご紹介します!

『眠れないほど面白い「雨月物語」妖美怪奇な9つの話』は、江戸時代後期に書かれた読本『雨月物語』を現代人にもわかりやすく翻訳した作品です。
人間の執念や執着に着目した9編の怪異小説が収録されていて、細かな解説もつけられています。

文章が美しくて心地よいのですが、死んでも思いがつのるたましいが現世の人を追いかけ求める姿が悲しくも恐ろしくて、読んだあと少し寂しい気持ちになります。しかし幻想的な雰囲気と寂しさがじわじわとクセになる作品集でした。

人間の心のうつろいやすさ、浅はかさが描かれながらも、明日はどうなっているかも分からない不透明な時代に生きた人びとの不安や心もとなさも写しだされています。

解説も一緒に掲載されているので、作品の時代背景も細かく把握しながら読めるのですが、江戸時代の人が書いたとは思えないほど歴史の事件、情景を作品に具体的に投影していて、作者の上田秋成という人がかなり知識の深い人だったことにも驚きました。

現代で漫画や映画になっているだけあってとても面白い作品ばかりです。今回の作品を読んでいたら、久々に昔の古文を読んでみたくなりました。
雨で出かけられない日は『眠れないほど面白い「雨月物語」妖美怪奇な9つの話』を読んで、幻想的な雰囲気に酔いしれてみてはいかがでしょうか。