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「○○ライター募集」を疑え。WEBにある「ライター募集」で泣きをみないチェックポイントを公開します

だいたい半年ほどにわたってライターの募集案件を紹介してきたが、今回が最終回となる。そこで、さまざまな案件を見てきた筆者からの、ライター募集に関する注意ポイントを列記して終わりたいと思う。なお、すべて筆者個人の私見であることを了解してもらえると幸いである。

●アフィリエイトブログに注意

最近、激増中なのがアフィリエイトブログによるライター募集だ。アフィリエイトブログは個人が運営しているブログで、広告へのクリック数に応じて発生する報酬を主目的とする。記事が多ければ報酬も増えるので、自分で記事を書かず、ライターを集めて記事を書かせようとするブロガーが増えてきた。検索すると、大量の募集案件が出て来る。また、「いかにライターを管理するか」というブロガー向けの記事もいくつかある。

無報酬ではなく、報酬はあるのだが、固定額ではなく、アフィリエイトに応じて支払われることがほとんどだ。たとえば広告料が500円発生すればライターに支払われるのは50円ぐらいだろう。ブロガーはノーリスクで儲かる一方、ライターに支払われる報酬はごくごくわずかだ。

もう一つの問題は、ブロガーがライティングに関して素人だということだ。これではライターが未熟でも、適切な指示やアドバイスを受けることは難しい。PVを集めるテクニックを知っていたとしても、10万PVの記事をコンスタントに月10本、1年以上続けているような人じゃないとテクニックを学ぶ価値はない。

ブログといってもワードプレスを使えば見栄えが良く、ブログではなく「メディア」を標榜しているブログも少なくないので知らずに応募してしまう人も多いかもしれない。見分けるには、ページの一番下にある「運営会社」をチェックすること。ブログの場合はこれがないか、あったとしても個人名が記されているだけだ。

そのブログが大好きで、そのブログのためならこの身を捧げたい! という人なら応募してもいいと思うが、ライターとして仕事をして食っていきたいと思っている人は応募しないほうがいい。

●Wantedly(ウォンテッドリー)に注意

先日上場して話題の求人サイト「Wantedly」にもライター募集案件は数多くあるが、なるべく紹介はしなかった。結論から言うと、Wantedlyはライター求人には向いていない。

Wantedlyはルールとして「報酬を明示しない」ことを掲げている。その代わり、会社を訪問して担当者とランチをしたり、お茶をしたりする。これは正社員や学生インターンを採用する際、(募集側にとって)とても便利なシステムなのだが、業務委託で1件ずつの仕事を請け負うライターには無駄が多いシステムだ。

ライターが仕事をする際、雇う側、雇われる側の人柄も大切ではあるが、それよりも知ってもらったほうがいいのは原稿の質であり、知りたいのは原稿料である。

●インターン募集に注意

昨年のDeNA騒動以来、増えているのは「インターン募集」。DeNAの諸サイトに代表されるキュレーションサイト全盛の頃は安価で大量の記事を作るライターが求められていたが、現在はそうはいかなくなっているため、タダ働きのインターンにライターをさせるという会社が増えてきた。

学生で、お金に困っていなくて、その会社でいつか働いてみたいと考えているなら応募してもいいが、それ以外なら応募しても意味はない。タダ働きさせられて、見込みがないと思われたらポイ捨てされるのがオチだ。

●「○○ライター募集」に注意

「○○ライター」とは「在宅ライター」「Webライター」「主婦ライター」「旅ライター」などなど、何かと「ライター」に何か接頭語をつけて付加価値をつけようとする募集案件のことだ。

こういうメディアはたいていギャラが安い。「主婦ライター歓迎!」という募集文は「主婦なんだからギャラは安くてもいいでしょ?」という方便の裏返しである。また、ライターとして一本立ちさせようという意思もない。「だって主婦なんでしょ?」という方便の裏返しでもあるからだ。

●案件を明示しない募集に注意

ランサーズやクラウドワークスなどのライター斡旋業はこれが基本。ある会社が「○○というテーマの記事を100本欲しい」と発注すると、斡旋業者は安いギャラで人を集めて記事をまとめて提出する。その際、募集している会社やメディアの詳細は明かさないことが多い。どうしてもやりたいのならかまわないが、ライターとしてのステップアップはとても望めないのでやらないほうがいい。

●キュレーションサイトに注意

DeNA騒動以降、キュレーションサイトを標榜するメディアは激減したが、まだまだ生き残っており、ライター募集を行っているサイトも多い。

キュレーションサイトで大問題になったのは著作権侵害だが、現在も業務を続けているキュレーションサイトはこのあたりに非常に注意を払っている。で、その注意はすべてライター個人の責任に押し付けられている。先に提示される契約書には、あらゆる文面、画像などの著作権に関する責任はすべてライターが負うと書いてあるはずだ。

だからといってオリジナルの文章だけを提出すればいいというわけではなく、かつての記事と同じように美しい画像も同時に提出を求められることが多いので、ライターは苦労することになる。それでいてギャラは当時のように安いままだ。手間ばかりかかる仕事が多いので、キュレーションサイトへの応募は注意したほうがいい。

●「bot募集」に注意

ツイッターで「ライター 募集」を検索すると、毎日のように募集をかけ続けているようなメディアが出てくる。こういうところはよっぽど応募が少ないか、運営がアバウトなのかどっちかだ。

●ライターのギャラは自分次第

いろいろ書いてきたが、ライターのギャラに正解はない。自分の原稿に100円ぐらいの価値しかないと思っている人には100円の仕事で十分だと言える。また、告知効果がすさまじい仕事なら、無報酬だって請けたほうがいい場合がある。ケース・バイ・ケースである。

1記事1万円の報酬が欲しいのなら、それだけのスキルを身につけるしかない。スキルアップを促してくれる編集者との出会いも重要だ。

●より良い「ライター募集」案件を探すために

何より重要なのは、メディアについてよく知ることだ。著名なメディアは、ライター募集をサイトの隅っこにサラッと載せて、募集人員に達するとサラッと消す。要するに毎日のようにサイトを見ている人が対象なのだ。

だから、「いつかこのメディアで書いてみたい」と思うなら、毎日のようにサイトをチェックして募集がないかどうかを自分の目で確認したほうがいい。どのような記事が求められているかもいつの間にか血肉になっているだろう。「ライター 募集」で検索して、手っ取り早く率の良い案件を探そうとばかりしていると、ヘンな案件に引っかかってしまう可能性が高い。

ゲーム攻略ライター、パチンコ・パチスロライター、風俗ライターの募集も多いが、そのあたりのジャンルは特殊性が強く、筆者は業界にも詳しくないので言及を避けた。興味のある方は独自に研究してほしい。

なお、ライター募集案件紹介記事を継続してくれるメディアを募集中です。ギャラは応相談。アオシマ書店宛てにご連絡ください。