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「FLASH」獄中から送られる内柴正人の手紙、柔術へ転向し「打倒・グレイシー」を見据えていた

指導していた九州看護福祉大学の女子柔道部員を合宿先のホテルで乱暴したとして、2011年に準強姦罪で逮捕された内柴正人。アテネと北京の五輪で柔道66kg級を2連覇した金メダリストである。

獄中にいながらTwitterで心境を発信していた時期が内柴にはある(代理人がアカウントを管理、現在は削除)。何の予備知識もなく当時の彼のツイートを見たならば、とても受刑者によるものだとは思わなかったはずだ。その内容は、至極前向き。主に夢や目標の重要性を説く内柴であったが、もしかしたらそれは自身を奮い立たせることが目的だったのかもしれない。

『FLASH』(9月5日号)にて、獄中の内柴が実業家の光成英一朗氏へ送った直筆の手紙が公開された。

光成氏は内柴の出所後の雇用引受人で、大学時代は剣道で東北4連覇を果たした武道家でもある。加えて、2011年に金融商品取締法違反で2011年に逮捕された経歴の持ち主だ。
「私も逮捕された経験があるので、正人さんとは一緒に戦っていけると思ったのがスタートでした」(光成氏)
内柴から光成氏へ送られた手紙は、計20通以上にも及ぶという。

■永久追放された柔道界への捨て難き未練
9歳から柔道を始め、金メダリストとなった内柴。しかし、もう柔道界へ戻ることは叶わない。内柴から光成氏へ送られたある手紙には、こんな文章が記されていた。
「(逮捕されてから)6年間、私は柔道のことばかりを考えていた。私は、この処分(永久追放)をありがたく受けます。この先、反省をして、生きていく中で、今回の失敗を、過去のタイトルでぬぐうつもりはない。新しく生み出して、正しく生きるから」

柔道への未練を断ち切り、新たな世界での再スタートを誓う内柴。……と思いきや、別の手紙には柔道への捨て難き思いが表れている。
「支援してくれると聞いて、どう考えても、柔道部を作るようにお願いしてしまう。今、我が人生に困る状況においても、他人の人生を、応援する器を先に作ろうとしている。永久追放なのに」

■ヒクソン・グレイシーの正統後継者との対戦を夢見ている
柔道界から永久追放された内柴、今では別の道を見据えているらしい。その思いを打ち明けられたのは、総合格闘技「REAL FIGHT CHAMPIONSHIP」を主宰する山田重孝氏だ。内柴と面会した山田氏は、出所後の内柴を柔術のアマチュア大会へ出場させようと考えている。
「現状はまだ試合できるレベルではないですが、体づくりのベースはできているので、アマで負けることはないでしょう」(山田氏)

そして、その先に見据えた目標もあるという。
「これはあくまで夢ですが、元格闘家ヒクソン・グレイシーの次男のクロン・グレイシーと内柴さんの対戦を実現させたい。世間には内柴さんの復帰を認めない人もいるかもしれませんが、頑張る姿を見せることは大事です」(山田氏)

スケールの大きな話だ。クロン・グレイシーは本物である。2016年、格闘技イベント「RIZIN」で山本美憂の息子である山本アーセンに1R三角絞めで完勝したことは記憶に新しい。まさに、ヒクソンの正統後継者。とは言え、日本という市場で、しかも柔道金メダリストが対戦を熱望したならば、無い話ではないのかもしれない。とは言え39歳で転向し、簡単に物になるほど柔術は甘い競技ではない。
ただ、告白すると、元柔道金メダリストが獄中で“打倒グレイシー”を考えていたという話のインパクトはかなり大きい。かつて、内柴のアカウントが「目標の先に一つ二つ目標を作っておく。ウソでもいい。自分をダマす」というツイートを発信していたことも思い出してしまった。

内柴の刑期は、今年12月に満期を迎える。仮釈放が認められれば、それより前の出所も有り得るそうだ。FLASHによると、被害者の女性が大学を運営する学校法人に対し、損害賠償を求める訴訟は現在も続いているという。