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『待機列ガール』オタク少女には、並ばなければいけない戦いがある 

オタクはいろんな行列に並ぶ。
コミケ。グッズ販売。イベント入場。行き帰りの電車。
つまりオタクは、並ぶのに慣れていて、待機列が好きなんですね。

……なわけあるか!
一秒たりとも並びたくないよ。手に入らないから並ばざるを得ないだけだよ。ビッグウェーブに乗りたいわけじゃないんだよ!

『待機列ガール』は、並ぶ少女を描いたマンガ。
普段は優等生、外に出るとオタクな日向麗陽(ひなた・ならび)。
彼女が好きなのは、モバイルゲームから結成されたアイドルグループ。
(要するにアイマスやバンドリの、声優さんライブみたいなもの)。
CDとライブが活動の中心なため、現地組の彼女の戦いは熾烈。

ライブ物販では長蛇の列に並んで耐え続ける(手に入るとは限らない)。
リリースイベントのための抽選券を手に入れるため並んでCDを買う(当たるとは限らない)。
雨にも負けず風にも負けず、牛歩をじっと耐える。
ほとんど修行だ。

それでも並ぶくらい、「好き」なものを大切にする人達が集まっているのが、面白い。
たまたまオタクモードの時に出会った、おとなしい同級生の塚田のの。
お互い同好の士ができて大喜び。ただし麗陽は、とっさに隠そうとして、ののに偽名を使ってしまう。

8月30日発売予定の2巻からがこのマンガの本番。人間関係が一気に入り乱れる。
麗陽のことが気になっているオタクではないお嬢様・駒ヶ嶺。オタクであることを隠さずとことん明るいエミリア。同じアイドルのファンだけど転売などルールを一切守らない小陰。

嘘、本音、正義、情熱。そして友情。
チケットが当たった時は友と一緒に喜び、自力で並んで手に入れたアイテムに涙する。
待機列にはいろんな青春が渦巻いている。