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「やすらぎの郷」ファン必読、浅丘ルリ子と石坂浩二をくっつけたのは加賀まりこだった『週刊文春』合併号

大ヒット放送中のドラマ『やすらぎの郷』で“お嬢”こと白川冴子を演じる浅丘ルリ子が『週刊文春』8月17日・24日号「阿川佐和子のこの人に会いたい」に登場。『やすらぎの郷』で共演する元夫の石坂浩二のこと、やはり共演者で石坂の恋人だった加賀まりこのことなどを存分に語っている。

発端は今から1年半前。脚本家の倉本聰が浅丘のもとにやってきて、ドラマの構想を聞かせたところから始まる。このときはまだ石坂の出演は決まっていなかった。共演が知らされたのは台本が印刷されてきたときだったというが、浅丘は「私がイヤだって言うわけがない。正直、嬉しかったですよ」と前のめりに歓迎。

ちなみに浅丘と石坂の共演は市川崑監督の映画『鹿鳴館』以来30年ぶりのこと。そのときはまだ2人は夫婦だった。夫婦でのラブシーンもあったが、喋り好きの石坂が撮影直前まで喋っているので雰囲気も何もなかったと浅丘は振り返っている。

「マリリン(加賀まりこ)も『この人がモテないのはよくしゃべるからよ』って。そんな風に元恋人は評してました(笑)」(浅丘)

ウィキペディアの石坂の項には「共演者には撮影直前までマイペースで薀蓄を語り続けることで知られる。『白い巨塔』の撮影時、あまりに薀蓄を語るため、共演の唐沢寿明を閉口させたという」と記されている。『やすらぎの郷』の撮影の際は、加賀に「うるさくしないでよ」と釘を刺されていたらしい。

ところで、ドラマの中では大の仲良しを演じる浅丘と加賀。浅丘と石坂は元夫婦だが、石坂と加賀は元恋人同士。それでよく仲良しが演じられるな……と思っていたが、そもそも浅丘と加賀は石坂を取り合っていたわけではなかったらしい。加賀が石坂との恋人関係が終わった後、「ねえ、石坂さんがルリ子さんのファンで会いたいと言ってるんだけど」という話を浅丘に持ちかけてきたのだ。つまり、石坂と浅丘の仲を取り持ったのは加賀まりこだった! 

石坂のことを「タイプじゃない」と言っていた浅丘だったが、倉本脚本のドラマ『2丁目3番地』で共演して急接近。石坂が浅丘に結婚の申込みをするときは、倉本も付き添いでやってきた。『やすらぎの郷』のセリフには、当時の彼らのやりとりが活かされているという。

その後、30年の結婚生活を経て、2000年12月に浅丘と石坂は離婚。石坂は翌年1月に再婚して世間を驚かせた。浅丘は石坂に付き合っている女性がいることは知っていたが、恨みも何もないと語っている。

「悔しい気持ちがなくなるくらい、ずーっと私のことをちゃんと見てくれたから、離婚の話が出たときも、感謝こそすれ、恨むことはなにもないなって」

すごいな、石坂浩二。だからこそ、浅丘も共演を知らされたときに「私がイヤだって言うわけがない」と思ったのだろう。別れた女をイヤな気持ちにしない男なのだ。浅丘は石坂の『やすらぎの郷』での演技について、こう語っている。

「お芝居がすごく素敵になってるなって感じました。主役だからアップで映ることが多いんだけど、リアクションがすごくいい。オーバーな芝居は絶対しないし、ほんとにチラッと目を動かすだけでも伝わる演技をしている。もし兵ちゃん(石坂のこと)かなかったら、観てる人も飽きちゃってダメだったかもしれない」

実に的確な石坂評であり、『やすらぎの郷』評だ。石坂の抑え目の演技が中心にあるからこそ、アクの強い共演陣も引き立つし、毎日観ている視聴者も飽きることがない。朝ドラの主人公の女性に「さわやか」さが求められるのも、半年間にわたって毎朝眺めても飽きられないようにするためというシンプルな理由があるのだろう。

ほかに亡くなった野際陽子の思い出、かつて数多くの共演していた石原裕次郎の思い出などが語られている。

『週刊文春』はKindleでも購入可能。