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小泉今日子主演「監獄のお姫さま』の裏側を脚本担当・宮藤官九郎が「週刊文春」で語った

クドカンこと宮藤官九郎が脚本を執筆する10月からの新ドラマが発表された。タイトルは『監獄のお姫さま』。小泉今日子主演の「おばちゃん犯罪エンターテイメント」(公式サイトより)だ。

共演者もすさまじい。『カルテット』にも主演した満島ひかり、同世代女優のトップランナー・菅野美穂、『架空OL日記』で好演した夏帆、90年代から数々のドラマに出演する坂井真紀、クドカンドラマの常連・森下愛子が顔を揃える。小泉今日子がクドカンのドラマに出演するのは『あまちゃん』以来。かつて『マンハッタンラブストーリー』では主演している。

はたして、どのような経緯でこの企画が成立したのだろうか? 宮藤が『週刊文春』8月10日号のコラムで明かしている。

発端は2014年の秋。ちょうど『ごめんね青春!』を書いていた頃だ。大阪で舞台の本番に臨んでいた宮藤のもとへ、脚本打ち合わせのため、同番組プロデューサーの磯山晶氏、監督の金子文紀氏がやってきたのだという。磯山氏と金子氏は『木更津キャッツアイ』や宮藤のドラマ脚本デビュー作『親ゆび姫』からの付き合いだ。

打ち合わせが終わり、食事となってから話題は「昨今のイケメン俳優への苦言」にシフトしたのだという。誰がどうこうという話ではなく、要するにイケメン俳優的な演技と振る舞いに飽き飽きしていたということなのだろう。早々に酔っ払った宮藤は「もうイケメンはたくさんですっ!」と宣言したのだとか。

そして大好きな女優の名前を立て続けに挙げて、「この人たちがもし揃ったら俺、ずっと書いてられますよ! 設定は何でもいいけど、イケメンは出したくないから女子刑務所で! 女囚ものやりましょうよ!」と勢いで話したら企画が決まってしまったのだという。

それだけでもすごいのだが、宮藤を驚かせたのは、酒の席で語った「夢のキャスティング」が実現してしまったことだ。それが上記のメンツである。

「大好きな女優さんの大好きなお芝居が観たい。それがこの『監獄のお姫さま』の核心です」(公式サイトより)。早口で、声が大きく、他人の話を聞かず、同じことも何度も言うおばちゃんたちの姿を、『木更津キャッツアイ』のテンポ感で描くのだという。

さて、コラムには気になる一文があった。「あれほど要らないと言い張っていたイケメン枠に超プレミアムイケメンがはまってしまったこと。参った」。公式サイトのあらすじには、「物語は、5人の女がある大企業のイケメン社長を誘拐するところから始まる」とある。罪を犯した5人の女と罪を憎む女刑務官(小泉)が、ある男への復讐を果たそうとする物語になるらしいのだが、この男役を演じる俳優はまだ発表されていない。これが宮藤の言う「超プレミアムイケメン」だろう。筆者の予測は草刈正雄だ。

放送されるのは『逃げるは恥だが役に立つ』の大ヒット、宮藤も出演した『カルテット』が話題になったTBS火曜日夜10時から。必見だ。

『週刊文春』はKindleでも購入可能。