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引きこもりコミュ障気味成人女子の残念な田舎暮らし『サクラクエスト外伝 織部凛々子の業務日報』

アニメ「サクラクエスト」のスピンオフとして描かれた『織部凛々子の業務日報』。
表紙を見てピクリと来たら、買いです。

田舎の街に住んでおり、表情が固く、感情表現は苦手。ただしぼそっと語る発言は鋭い。
家の手伝い以外仕事をしたことがなく、知識は多いけど世間知らず。
UMA・オカルト全般・超常現象大好き。
幼馴染の優しい女の子とべったり。
お嬢さんっぽいひらひらの服が多く、部屋にいる時は大きいTシャツ一枚。
見た目は幼いけれども、れっきとした成人女性。

萌え要素の絨毯爆撃みたいな女の子だ。
そんな子の、半引きこもりでがっかりな日常。心に引っかかるフックが多すぎる。

「サクラクエスト」は5人の20代女子が、過疎著しい田舎の街・間野山を盛り上げるため、観光協会で四苦八苦する物語。
原作とコミカライズ版は、東京からやってきた由乃の視点でなので、間野山の閑散とした空気が強めに描かれている。現実的な問題(嫁取り、伝統工芸、交通難民、民泊施設など)が多く、息苦しい展開が多め。

一方『織部凛々子〜』はキャラのかわいらしいドタバタ日常に全振り。
部屋にこもっていた凛々子視点からみたら、友達が一気に増えて、やりがいのある仕事ができたというプラスしかない状態。
寂れたシャッター街も、こっちの作品だとえらく明るく見える。

凛々子が部屋にこもって電脳パトロール(と称したオカルト板チェック)をしていると、就職のバナーがもりもり出てくる。無職の凛々子1人部屋でパニックに。
体重が増えた凛々子。ジョギングは向いていないと判断し、食事制限に挑む。おなかがすいた深夜を耐えるため、宇宙人と交信しながら部屋で身体を動かしていたところ、祖母に目撃されて悶絶。
残念力、半端ない。

登場キャラすべてがかなり濃い目の性格付けで描かれているので、この本だけで十分楽しめる作り。
こちらを読んでから、原作アニメに戻って動く凛々子を見る、なんてのも面白いと思う。